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DEI推進プロジェクト対談編

DEI推進プロジェクト対談編DEI推進プロジェクト対談編

DEIを広げ、つなげることで
豊かな会社の未来を創る

MEMBERS
A.U
テクノロジー&イノベーションセンタ
副センタ長
A.U
1992年新卒採用で入社。社内では女性初のメカ設計技術職として、国内向けのATM開発を行う。育休・産休を経て、海外ユニット制御仕様や、国内・海外向け製品の開発を担当。その後、新事業プロジェクトや変革プロジェクトのリーダーに。副センタ長も務める。2021年に有志でDEI活動を行ったことをきっかけに、2024年から社内のDEI責任者となりDE&I推進プロジェクトのリーダーに。
H.S
テクノロジー&イノベーションセンタ
GL主任技師
H.S
1993年、新卒採用で入社。エレキ系エンジニアとして自社開発部門に配属。その後、外販向けに通信機器製品やATM向けユニット、新製品などの開発を経て、2020年から新技術探索や、新事業創生、技術戦略策定を担当する。
S.M
海外事業部
S.M
1997年、新卒採用で入社。社内サーバーの保守・運用や情報機器の販促業務を行ったのち、出産・介護のため退職。リターンエントリー制度で再び復職し、海外事業部で、ATM機器の受注・輸出業務、営業サポート業務を行う。
A.U
人事総務本部
A.U
2023年キャリア採用にて入社。前職では、金融機関での営業や地方公共団体での労務を経験。入社後は労務、安全衛生、エンゲージメント等の幅広い業務を担当。2024年からDEI推進メンバーとして、活動を開始。
日立チャネルソリューションズ株式会社のDEI推進プロジェクトは、2024年に本格的にスタートしたばかりの新しい取り組みです。「多様な人材の活動促進とイノベーションを創出しやすい組織の変革をめざす」という方針のもと、活動メンバーが一丸となり、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)の実現を目指しています。今回は、全社に向けた情報発信や社員アンケートの実施、部門を超えた協力体制の構築など、さまざまな施策に取り組むDEI推進プロジェクトのメンバーが集合。それぞれのきっかけや活動を通じて感じた変化、そして日立チャネルソリューションズの未来に対する想いを語り合いました。

Q.DEI推進プロジェクト発足の経緯やこれまでのあゆみ、
主な活動について教えてください。


A.U
DEIというのは「Diversity」「Equity」「Inclusion」の頭文字を取ったもので、私たちのDEI推進プロジェクトは、すべての人に公平に接し、個々の人の違いに十分に配慮することにより、誰もが貢献できる会社をめざすプロジェクトです。言葉だけを聞くと難しくて、「会社とDEIって関係あるの?」と思われがちです。『社員一人ひとりの違いを尊重し個性を刺激し合いながら、能力を発揮できる公正な環境を整えることで、誰もがやりがいと共感をもって働ける組織文化・職場環境の実現 』を目標に、DEI推進プロジェクトの本格始動となりました。

H.S
DEI推進プロジェクトは、イノベーションを創出し、会社全体の成長を支える重要な要素の一つと考えています。市場の変化に対応し、より良い製品やサービスを提供するには、多様な人材が持つ多角的な視点や経験が欠かせません。そのため、私たちは定期的なミーティングや情報発信、異業種交流会、登壇イベントなどを実施し、社員一人ひとりがDEIを自分ごととして考え、行動に移せる環境を整える努力をしています。

A.U
DEI推進プロジェクトが本格的にスタートしたのは2024年ですが、その原点は2021年に、私が有志で始めた活動にあります。社外の女性管理職研修を通じて、多様性推進の重要性を実感し、「この学びを会社に活かしたい」とキャリア採用の社員や同僚とディスカッションを始めたのがはじまりです。また、日立グループのダイバーシティ推進センタのリーダーとも意見交換会を開催し、活動の基盤を作っていきました。その後、2024年に本格的にDEI推進プロジェクトが立ち上がり、責任者の役割をいただいたときは、「組織的に進めるチャンスだ」と感じ、引き受けることを決めました。

S.M
A.Uさんが有志として活動していたのを背景に、社内でプロジェクトになり、どんどんメンバーが集まってきたんですよね。新しい取り組みをはじめることは多くの苦労があったと思います。

A.U
そうですね。まず取り組んだのは、活動メンバーを募ることと現状の課題を集めることでした。正直、手を挙げてくれる人がいるのかは不安でしたが、今ここにいらっしゃる方々をはじめとして、予想以上に多くの社員が賛同してくれて、今のチームができました。また、社内での募集と同時に全社的なアンケートも実施し、現状の課題や社員の声を集めました。これもかなり多くの意見が集まり、このアンケートから得られた具体的なデータは、活動を推進する上での大きな助けになりましたね。

Q.DEI推進プロジェクトにジョインした理由やきっかけは?


A.U
私はプロジェクト発足の際に、職場上長から推薦していただいたことがきっかけで事務局として入りました。事務局として、プロジェクト全体の管理や日立グループ内での情報連絡会への参加やグループ間連携を主としています。私自身、キャリア採用で日立チャネルソリューションズに入社しており、日立チャネルソリューションズでの働きやすさを身をもって体感する中で、「もっとひとりひとりが働きやすい職場になればいいのに」と漠然とした思いを抱く機会が多々ありました。そんな中、このお声がけをいただき、「面白そう!やってみよう!」と思い、二つ返事で参加を決めました。むしろ、入社して日が浅い私がこの全社プロジェクト活動に参加してもよいのか?と思ってしまったくらいです。

S.M
私は以前から、社内にある古い意識や慣習に対して課題を感じる場面がありました。実際に新卒社員や世代ごとの課題をアンケート調査した際、困りごとがあっても声に出せない人が多い一方で、アンケート形式だと素直に意見を伝える人が増えることを学び、ちゃんと声を上げられる会社にしたいと感じていました。社員が皆気持ちよく働くことができ、より愛着を持てる職場環境をつくることの重要性を感じていたんです。そのタイミングでDEIに関する全社アンケートが実施され、自由記述欄に自分の想いを書き連ねているときに、思った以上に、自分が会社に対して課題意識を持っていたことに気づき、「私もこの活動に参加したい」と、プロジェクトに加わりました。

A.U
S.Mさんが会社に対しての課題意識を感じていたところに、ちょうどこのプロジェクトが発足したんですよね。本当に良いタイミングだったと思います。

H.S
私は業務的な観点と個人的な視点、2つの理由でこのプロジェクトに参加しました。業務的には、会社の10年後、20年後を考えたとき、イノベーションを起こすための基盤が必要だと考えました。個人的には、自分が50代に差し掛かり、会社の中心世代の一員として、「自分自身が変わるきっかけを持ちたい」と思ったからです。
S.Mさんとは逆になってしまうのですが、自分はなかなかこの会社の課題や問題意識に気付けなかったんです。ですので、プロジェクトメンバーとして活動することで、自然と変わるきっかけが得られると考え、参加することに決めました。

A.U
それぞれのバックボーンは違いますが、皆、会社や自分が変わっていかなければならないと感じていたところは共通していますよね。今では日々、いろんな意見が飛び交うプロジェクトになっています。

Q.活動を続けるなかで感じる、
自分自身や社内の変化・成長とは?


H.S
私自身、この活動を通じて多様性に対する視点が大きく変わりました。プロジェクトメンバーとしての議論やディスカッションを重ねるなかで、今までいかに自分が固定観念にとらわれていたかに気づかされました。最初は、毎回金槌で頭をたたかれるような衝撃を受けていましたが、今ではその衝撃が自分を変える大きなきっかけになっています。
社内についても、これまで同じ価値観を持つメンバーが多かった部署に、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が加わり始めています。その結果、議論が活発化し、新しい視点やアイデアが生まれる場面を目の当たりにしています。心理的安全性の確保を意識しながら多様性を受け入れることで、組織全体の成長が加速しているのを実感していますね。

A.U
私はプロジェクト立ち上げに伴い、社内イントラネットにDEIコンテンツページを立ち上げたり、社内ソーシャルネットワークVivaEngageにて情報発信を行っていますが、そうした日々の発信やイベントをする中で、「今まで思っていたこと、話していたことはアンコンシャス・バイアス(*)で、知らないうちに他者を傷つけていたかもしれない」「新たな気づきになった、学びになっている」とお声をいただく機会が徐々に増えてきました。
社内での情報発信やイベントなどで、DEIの取り組みをどうすれば分かりやすく、親しみやすい形で社員に届けられるかを、日々試行錯誤している中で、小さな変化ではありますが、少しずつ社内の空気が変わってきたと感じています。
また、実は発足当初から現在まで、DEI推進プロジェクトメンバーも徐々に増え続け、事務局含め27名で活動しています。このプロジェクトメンバー以外にも、日々の発信やイベントにアクションを起こしてくださる方や活動を応援してくださる方も沢山いて、すごく励みになっています!
(*)アンコンシャス・バイアス…「アンコンシャス(unconscious)=無意識」と「バイアス(bias)=偏見」の二つの単語から構成されるとおり、アンコンシャス・バイアスとは「無意識の偏見」「無意識の思い込み」という意味です。本人が気づいていない、偏ったものの見方やゆがんだ認知のことを指し、多くは過去の経験や周囲の意見、日々接する情報から形成されます。

S.M
A.Uさんの小さな変化、とてもよくわかります! 私も部内にDEIの内容を共有しているのですが、今まであまり接点がなかった社員から話しかけてもらえるようになりました。以前は業務的なやり取りがメインだった人とも、フランクにコミュニケーションを取れるようになり、人と人との垣根が少しずつ下がってきているのを感じています。

A.U
まだはじまったばかりのプロジェクトですが、社内の雰囲気が変わってきましたよね。

S.M
先日は部内の親睦会の幹事の選出方法が改善されたということもありましたね。以前は、暗黙の了解で若手社員が担当することが多かったんです。でも、この活動を通じて「これっておかしいよね」と上司が気づいてくださり、今では順番制に切り替わりました。私たちが発信してきたものが影響し、少しずつ社内が変わってきていると実感しています。

A.U
嬉しい変化ですよね! メールやイベントなどで、社内に発信している成果はデータにもよく現れています。定期的に発信しているDEIのコンテンツは社内の400名以上の方に見ていただいており、アンケートではDEIに関する数字が毎年上がっています。「社内が変わってきている」とみなさんが思っていることが、データとしても現れているので、これからも私たちにできることをコツコツと取り組んでいきたいですね。

Q.DEI推進プロジェクトのメンバーが思う、
今後の目標やビジョンは?


H.S
私たちがめざすのは、社員一人ひとりが自由に意見を言い合い、互いを尊重する文化が根付く職場環境です。心理的安全性が高まり、多様性が受け入れられることで、イノベーションの基盤が作られると思います。ただ、それを実現するには時間がかかりますから、まずは小さな施策をコツコツと続けていきたいです。たとえば、社員が自分ごととしてDEIを捉えられるようなワークショップを実施するのも一案ですね。

S.M
ワークショップ、良いですね! 私は、社員が会社に愛着を持ち、モチベーション高く働ける環境づくりができたらいいなと感じています。そのためには、部門を超えたコミュニケーションをもっと活性化して、人と人がつながり、高め合える仕組みが必要だと思います。誰もが休暇取得がしやすく、安心して仕事を任せられるよう、会社全体でサポートする仕組みが必要です。そのためには、業務のマニュアル化だけでは対応しきれない部分を誰がどう補うのか、全体で考える文化を育てたいです。特にライフイベントに関する課題は見過ごせません。みんなで補完し合える体制を整えることが欠かせないですね。

H.S
そういう体制があると、安心して仕事にも集中できますよね。

A.U
その安心感がコミュニケーションを生み出す鍵だと思います。私がめざすのは、社員が自分の意見や思いを発信し、それが真摯に受け止められる文化を作ることです。もちろん、全員の意見がそのまま通るわけではないですが、違う意見に対して「なるほど、そういう考え方もあるんだ」と認識を深め合うことで、より良い改善策が見つかるはずです。社員一人ひとりが「意見を言っても無駄だ」と思うのではなく、前向きに発信できる環境を作りたい。それが私の目標です。

A.U
自分と他者が違うことを否定しないこと、さらにはその違いは当たり前と思い、プラスに捉えることで、お互いに出来ることや出来ないことを補完し合えて、チームや会社全体が居心地のいい空間にすることが私たちがめざす姿だと思います。居心地のいいということは、つまり、存在を認めて合うこと、尊重し合うこと、決して難しいことではない。とはいえ、DEIは個々人の意識・こころの中で培われるものなので、DEIの浸透した組織は決して一朝一夕では起こりえるものではありません。DEIを自分ごととして捉えること、DEIに関心をもつためにはどうすればよいか?を考えることが重要で、私たちもこのことを意識しながら、今後もプロジェクトに取り組んでいきます。当社には求められた課題やミッション、ハードルに対して、今まで乗り越えてきた経験を持ち、ポテンシャルが高い方が多いので、DEIについてより身近な自分ごととして定着すれば、ひとりひとりがもっと過ごしやすくて、働きがいのある、活き活きとした会社になると思います。

※記事内容は取材当時のものです。