2025年11月25日#テクノロジー
日立チャネルソリューションズ株式会社は、2025年7月16日〜18日に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo/愛知県名古屋市)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2025 NAGOYA」に出展し、人の「触れる感覚」をロボットに伝える技術を紹介しました。
今回の展示では、モーションリブ株式会社と共同で出展し、力触覚制御技術「リアルハプティクス」技術(*1)を活用したロボットのデモを実施しました。製造業など現場の自動化や安全性向上に貢献する新しいアプローチとして、多くの来場者の注目を集めました。
日立チャネルソリューションズ株式会社は、金融・流通・公共分野を中心に、社会インフラを支えるソリューションを提供してきました。近年、現場では「労働力不足」「安全性の確保」「技能継承」などの課題が顕在化しています。これらに対応するためには、単なる自動化ではなく、“人の感覚”を取り込んだ高度な制御技術が求められています。
その中で、リアルハプティクス技術は、力加減や触感といった人の繊細な感覚をロボットに伝えることができる革新的な技術です。当社がめざす「人と機械の協調によるスマートな現場づくり」に非常に親和性が高く、当社が強みを持つコア技術の強化として取り組んでいます。

軟らかいスポンジ(左)、硬いブロック(右)をつかむ様子
「リアルハプティクス技術」は、人がモノに触れたときの力の加減や動きの感覚(力覚)を、ロボットにリアルタイムで伝える制御技術です。
この力触覚技術では、力・速度・位置を数値化し、物体の「かたさ」や「押しごたえ」を再現できます。それにより、ロボットや遠隔操作機器が人間のように繊細な力加減で作業することを可能にします。
当社は「かたさ判定付きロボットハンド」および「コネクタ接続検知機構」のデモ機を展示しました。
人が操作する装置とロボットハンドが連動し、物体の「かたさ」が手に伝わるデモを実施しました。力センサーを使わずに、力・速度・位置をリアルタイムで数値化し、データの記録・分析も可能です。
オペレーター(L)とロボットハンド(F)は相互につながっており、人がオペレーターを操作し、ロボットハンド側で物をつかむとその固さが人の手に伝わる
力センサーを用いずに、力(Force)/速度(Velocity)/位置(Position)をリアルタイムで数値化。オペレーター(L)とロボットハンド(F)間で連動し、数値を記録できる
EV車用コネクタの接続時に発生する「クリック感」を見える化しました。コネクタ接続において、挿入力の時間変化をグラフで表示し、正常/異常の判定を可能にすることで、危険を伴う工程の自動化や品質向上に貢献します。展示会では、実際の現場課題に直結する技術として高い注目を集めました。

当社は、持続的な労働力の確保、安心・安全な作業環境の構築、勘に頼らない技術の継承と品質の安定化などの社会課題の解決に取り組むため、リアルハプティクス技術を、以下のような領域での活用を考えています。
熟練作業者の感覚を再現することで、品質の安定化と作業の効率化を実現。さらに労働力不足への対応に貢献
生産現場でロボットによる作業を感覚データとして記録することで、作業品質を確認・追跡可能。ばらつきの少ない製品づくりを支援し、製品の信頼性向上に貢献
遠隔操作による安全な作業環境の構築により、危険作業のリスクを低減し、安全性を向上
感覚データの記録・再現により、経験や勘に頼らない教育を可能にし、技能の定量化と伝承を支援
展示を通じて、具体的な技術ニーズが数多く寄せられました。今後は、リアルハプティクス技術の汎用ロボットアームへの実装や、コネクタ接続検知機構の小型・ハイパワー化、人手作業向けの検知機構の検討などを予定しており、技術の実装と応用を加速していきます。
当社では、リアルハプティクス技術を活用した製造業など現場における自動化・品質向上などの課題解決に向けて、実証実験・共同開発・製品化などの協創パートナーを募集しています。ご興味のある企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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