本文へジャンプ

Hitachi
EnglishEnglish お問い合わせお問い合わせ

2025年12月10日#グローバル

2025年10月、日立チャネルソリューションズ株式会社の子会社でインド現地法人であるHitachi Terminal Solutions India Private Limited(日立ターミナルソリューションズ(インド)社)は設立10周年を迎えました。同社は2015年10月に設立し、2016年6月より生産を開始しました。インド市場における生産拠点としてスタートし、ATMおよび関連サービスの提供を通じて、金融インフラの発展に大きく貢献してきました。現在グローバル生産拠点として、紙幣還流式ATMをはじめとした日立チャネルソリューションズの製品を世界各国・地域に提供しています。


2023年1月に開所したインド新工場

ヒストリー 〜インド事業の成長とグローバル生産拠点への進化〜

インドでATM事業スタート

日立チャネルソリューションズは2010年にインド市場に紙幣還流式ATMの販売で本格参入し、2014年にインドで初めてATMの紙幣還流運用を開始しました。紙幣還流式ATMの普及に取り組み、市場をリードしてきました。


ATMの紙幣還流運用を開始


インドの展示会で紙幣還流式ATMをアピール

現在インドでは現金引き出し専用のCD(キャッシュディスペンサー:Cash Dispenser)から、日本で日常的に利用されている現金の引き出しと預け入れ両方が可能な紙幣還流式ATMへ需要がシフトしています。その中で、当社製の紙幣還流式ATMが約45,000台稼働しており、インドの紙幣還流式ATM市場において60%近いシェアを誇っています。

インドに生産拠点設立

インド生産拠点を設立した当時、インドのATM市場は、CDと紙幣還流式ATMをあわせて約20万台が稼働しアジア有数の規模を誇り、大きな成長が見込まれていました。一方で、金融機関の店舗やATMは都市部に集中しており、地方での金融インフラの整備が課題になっており、インドの中央銀行であるインド準備銀行が金融包摂策(Financial Inclusion)を推進していました。インド政府の製造業振興策として高い経済成長と雇用創出をめざす政策「Make in India」が推進され、生産拠点の誘致が進められていました。

このような背景の中、2015年10月にインドに生産会社を設立し、約8カ月後の2016年6月に生産を開始しました。


2016年にインドで生産開始

インド新工場に移転・拡張

2023年には、インドに新工場を建設し、約10,000平方メートルの広さに最新の設備を備えたベンガルール近郊の新工場に移転しました。新規雇用により人員を増強し、生産能力を従来の月産1,000台から3倍の3,000台に増強しました。新工場で生産されるすべての紙幣還流式ATMの基幹部品はインド国内で調達するとともに、主要モジュールを含め、高度に管理された一貫生産ラインで組み立てを行い、高いレベルで現地化を実現しています。ATMメーカーとしてインドで初めて現地化率クラス1(現地化率50%以上)を取得し、インド政府系銀行入札案件の優位性も獲得しています。


インド新工場の開所式


インド新工場で生産開始

紙幣還流式ATMの累計出荷5万台突破、
世界各国に展開

日立ターミナルソリューションズ(インド)社は、設立以来、この10年間で生産台数を拡大し、インド国内向けだけでなく、東南アジアをはじめ中東、アフリカ、欧米などへ市場を広げ、この2025年7月には紙幣還流式ATMの出荷台数が累計で5万台を突破しました。インドにおける紙幣還流式ATMのパイオニアとして、生産体制を増強しインド国内向けの生産を拡大するとともに、世界各国へ製品の輸出を拡大しました。インドを世界の生産ハブにするという政策ビジョン「Make in India」に貢献しています。


紙幣還流式ATMの累計5万台出荷と
日本向けモジュール累計5,000台出荷セレモニー

次の10年に向けて

2025年10月、設立10周年記念イベントを新工場で開催しました。来賓約20名と社員約100名が出席し盛大に祝うとともに、新たな10年に向けて社員と会社の成長を誓いました。

今後は、紙幣還流式ATMのさらなる普及に加え、農村部へのSimple-ATM(Android OSベース)展開などを通じて、インドにおける金融包摂にさらに貢献していきます。また、グローバル生産拠点として、日立チャネルソリューションズのグループの市場拡大と成長を支えます。


記念式典でスピーチする日立ターミナルソリューションズ(インド)社のSivaramane社長


設立10周年記念式典