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ATM(現金自動取引装置)でのユニバーサルデザインへの取り組み

情報・公共分野においての金融端末機であるATM(現金自動取引装置)は誰もが使いやすく、安全に取引が行える事が重要です。ATMの開発にあたっては開発纏め、設計、デザイン、営業等の製品化、販売に関わる多くの担当者のユニバーサルデザインに対しての認識、取り組み姿勢が重要となります。
また製品を導入し、お客さまへサービスを提供する金融機関の方々にも認識して頂けるように取り組み活動の報告等を行っています。

開発目標の設定

ATMの理想イメージの検討と提案
ATMの理想イメージの検討と提案

ATMのような端末機はお客さまが取引内容を確認、選択する際に触る操作画面、本人である事を確認する為に使用するカードの挿入、排出をするカードユニット、お金を取り出す、預け入れる際に使用する紙幣ユニット等様々な機械の構成によって成り立っています。
このように機械としての部品の組み合わせだけを優先して作ると、操作の流れとして使いづらいものになるかも知れません。ユニバーサルデザインの取り組みとしては理想をまず考える事から始める事が重要であり、先行開発は理想像をカタチにする意味で重要と考えています。

受容性検討、実験と評価

ATMへの車いすアプローチ等の検証
ATMへの車いすアプローチ等の検証
ATMへの車いすアプローチ等の検証

先行開発では将来的な理想像と現実的な課題を考慮しながら検討することが重要と考えます。最終的な製品イメージを考慮しながら検討することによって、多くの課題を解決し、製品化へ繋げる事ができます。
検討によって製作した模型を多様な人たちに使ってもらいながら、検証しながら、現状の製品と先行開発模型を比較することで、課題とされていた部分の解決、新たな課題の発見が行えます。
検討結果を評価し、再度検討を繰り返し行う事で多様な人たちが必要としている理想像、ユニバーサルデザインとして取り組む課題を導きだす事が可能となります。

検討内容のガイドライン化

装置、操作画面等のガイドライン作成
装置、操作画面等のガイドライン作成

評価したものを開発にあたる担当者の皆が認識できるようにする為にはさまざまな状態のお客さまに対して評価した結果を実際の製品設計を行う人たちに反映できるように、ガイドラインを作ることが重要です。基本の理想像を明確にし、製品化においては可能な限り実現できるように取り組む事を目的としたガイドラインを作成しています。
端末としてのガイドラインとともに、操作画面はお客さまがATMを利用する際に重要な役割を果たします。近年、サービスの多様化によって複雑化している操作手順をわかりやすく、誰もが使えるように見やすく、操作しやすくといったポイントを中心にガイドラインとしてまとめています。

製品化に向けて

製品化に向けたプロトタイプ検証
製品化に向けたプロトタイプ検証

先行開発、実験、評価、ガイドライン化を行っても実際の製品を作るには、占有寸法や技術的、コスト的な面からも色々な制約があり、常に理想的な製品ができあがるという訳ではありません。
しかし、少しでもよい製品を世に送り出していくため、製品試作を使ってお客さまに評価してもらい、問題があれば、解決方法を検討するなど、継続的に検討を繰り返す事でひとつでも多くの課題を解決してきたいと考えています。